ダウン症児の支援制度~教育・医療~【医師監修】

ダウン症児の支援制度~教育・医療~【医師監修】

最も多い染色体異常と言われるダウン症。ダウン症のお子さんを育てる場合、どのような支援を受けることができるのでしょうか。このページでご紹介します。

妊娠したら15週目までに
NIPTを検討しましょう

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この記事のまとめ

ダウン症患者は、さまざまな支援サービスを利用することができます。療育手帳をお持ちの方は障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることが出来ます。また手当として特別児童扶養手当、障害児福祉手当があり、医療制度としては小児慢性特定疾病医療費助成制度があります。支援サービスには、国、都道府県、市区町村それぞれの制度に基づくものがあり、受けられるサービスは地域によって異なります。

出生前診断が税込4.88万~26.4万円

はじめに

最も多い染色体異常といわれるダウン症ダウン症は突然の染色体異常によって引き起こされるため、誰にでも起こりえることです。

そのため、「もしダウン症の子供が生まれたら、どのように育てていけばいいのだろう」と考える妊婦さんも多いのではないでしょうか。

日本では、ダウン症の方が明るく元気に生活できるよう、さまざまな支援やサービスが用意されています。

このページでご紹介します。

ダウン症児の支援制度~教育・医療~【医師監修】

ダウン症とは

ダウン症は、正式名称を「ダウン症候群」といい、染色体の突然変異によって起こります。21番目の染色体が1本多くなっていることから「21トリソミー」とも呼ばれます。

多くの場合、知的な発達の遅れ等の症状がみられますが、基本的には個性豊かな「普通の子、普通の人間」で私たちと大きな違いはありません。合併症がある場合もありますが、病気と縁のない子もいます。

ダウン症発症のメカニズム

ダウン症は、染色体の突然変異によって起こります。この突然変異は、誰にでも起こり得ますが、ダウン症のある子は体内環境がよくないと流産しやすくなるので、生まれてきた赤ちゃんは淘汰という高いハードルを乗り越える強い生命力をもった子なのです。

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ダウン症は出生前にNIPT(新型出生前診断)で検査可能

ダウン症は出生前検査で、生まれる前に検査することが可能です。従来の羊水検査や絨毛検査は確定検査と呼ばれ、確実に診断することができますが、流産などのリスクがあります。

一方、NIPT(新型出生前診断)は母親の血液で検査するため、リスクはほとんどありません。

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPT(新型出生前診断)は、母親の血液中を浮遊しているDNA断片を分析することで、赤ちゃんに染色体異常がないかどうかを調べる検査です。

確定検査ではありませんが精度がとても高く、ダウン症に関しては感度99.9%、特異度99.90%となっています。エコー検査で妊娠を確認後すぐに受けることが可能で、他の検査よりも早く調べることができるのも特徴です。

世界最高水準のNIPT
新型出生前診断(NIPT)とは、「お母さんから採血した血液から胎児の、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、1...

ダウン症の支援団体

※2022年2月1日時点の情報です。

公益財団法人日本ダウン症協会

ダウン症のある人たちとその家族、支援者でつくる会員組織です。全国に約5200名の会員がいます。

相談活動と会報発行を大きな軸に、ダウン症に関わるさまざまな活動をしています。

入会すると、会報などダウン症についてよくわかる書籍の配布・貸し出しが受けられるほか、各種セミナーへ参加することができます。また、ダウン症児の親による電話相談を実施しており、実際に経験しないと分からないことなどの相談に応じてもらえます。

NPO法人アクセプションズ

ダウン症がある子をもつ親が集まって立ち上げた団体です。ダウン症の一般の方への理解と普及を目的としてさまざまな活動を行っています。

日本社会に多様性の素晴らしさを発信し、ダウン症のある人、その家族、そしてすべての人が自分の能力を活かし、お互いを尊重できるインクルーシブな社会の実現を目指しています。

啓発イベントや、研修・勉強会のほか、SNSやメールマガジンを通じた情報発信も行っています。

特定非営利活動法人 ダウン症ファミリー総合支援 めばえ21

ダウン症を持つ子どもとご家族を支援する団体です。子ども達の可能性を広げる活動の場、ご家族や兄弟の繋がりの場、ダウン症に関わる様々な知識や新しい情報などを提供しています。

勉強会やイベントを行うほか、兄弟支援活動、食育活動も行っています。

一般社団法人ヨコハマプロジェクト

ダウン症のある人を知るイベント開催をきっかけに発足した、「多様性」をコンセプトに活動する団体です。

障がいのある人もない人も、互いを認め合い、ともに力を発揮できる社会づくり、そして、逆境を成長につなげられるレジリエントな社会づくりへの貢献をめざし、横浜を拠点に活動しています。ふれあい・交流事業、冊子を使った情報伝達事業のほか、講演会や勉強会も開催しています。

社会福祉協議会

障害者や高齢者の在宅生活を支援するために、ホームヘルプサービス(訪問介護)や配食サービスをはじめ、さまざまな福祉サービスをおこなっているほか、多様な福祉ニーズに応えるため、それぞれの社会福祉協議会が地域の特性を踏まえ創意工夫をこらした独自の事業に取り組んでいます。

また、地域のボランティアと協力し、高齢者や障害者、子育て中の親子が気軽に集える「サロン活動」も行っています。

ダウン症児の支援制度~教育・医療~【医師監修】

ダウン症の公的支援

ダウン症患者は、さまざまな支援サービスを利用することができます。支援サービスには、国、都道府県、市区町村それぞれの制度に基づくものがあり、受けられるサービスは地域によって異なります。

なお、障害の程度や保護者の所得などによって利用できない場合もありますので、注意が必要です。

各種手帳

療育手帳

知的障害があると判定された方に交付される手帳です。療育手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることが出来ます。

身体障害者手帳

視覚、聴覚、肢体不自由、心臓や消化器の障害、疾患などがある方に交付される手帳です。さまざまなサービスや制度を利用することができます。

各種手当

特別児童扶養手当

知的障害や、身体障害がある20歳未満の児童の保護者に支給される手当です。支給額は、障害の程度により異なります。また、保護者の所得による制限があるため、注意が必要です。

障害児福祉手当

身体又は精神に重度の障害を有する児童に対して支給される手当です。身体手帳、療育手帳の等級や、問題行動の有無などによって受給資格が判定されます。

医療制度

小児慢性特定疾病医療費助成制度

小児慢性特定疾病にかかっている児童の医療費の負担軽減を図るため、その医療費の自己負担分の一部を助成する制度です。

ダウン症の場合は、医学的な条件を満たす場合のみ助成の対象となります。助成額は所得により異なります。

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ダウン症の教育支援

障害児保育

未就学児を対象としたサービスに、「児童発達支援」、学齢児を対象としたものに「放課後等デイサービス」があります。どちらも、公的な機関だけでなく、一般企業やNPO法人などサービスの提供者はさまざまです。保育園や幼稚園、学童等のような保育のなかで発達を促す活動を提供するものや、集団や個別での療育訓練を提供するものなどがあります。

地域療育センター

発達障害など障がいのあるお子さんの療育に関する相談・診療・指導などを行っています。作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、臨床心理士、臨床発達心理士などの専門職の方が指導を行うことが多いです。

ダウン症児の支援学校・支援学級については、「ダウン症(21トリソミー)のある子どもの教育」でとりあげていますのでぜひ参考にしてみてください。

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ダウン症と向き合っていくために

ダウン症は、最も多い染色体異常であり、どのお母さんでもダウン症の子を授かる可能性があります。

ここまでご紹介したとおり、ダウン症の方には、さまざまな支援団体やサービスが用意されています。

あらかじめ知っておくことで、おなかの赤ちゃんを迎える準備ができます。

ダウン症のお子さんを授かった時は、一人で抱え込まず、支援サービスや支援団体を利用し、明るく元気に育っていける環境作りをしていきましょう。

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まとめ

医療の進歩により、ダウン症のある方の寿命は60歳ほどになったといわれています。現在では、ダウン症のある方が、どのように豊かな人生を送るかが重要になっているのです。

しかし、妊娠中におなかの赤ちゃんに障害がないかどうか不安になることもあるでしょう。そういったときはNIPT(新型出生前診断)を受けることによって解決できるかもしれません。

NIPT(新型出生前診断)は採血で行う検査なので、リスクを負うことなく検査をすることができます。ご心配な方はご検討されてみてはいかがでしょうか?

最も多い染色体異常と言われるダウン症。ダウン症のお子さんを育てる場合、どのような支援を受けることができるのでしょうか。このページでご紹介します。

NIPT(新型出生前診断)について詳しく見る

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記事の監修者


伊藤 雅彦先生

伊藤 雅彦先生

元医療国際福祉大学教授、前医療創生大学柏リハビリ学院長、日本遺伝子診療学会・日本遺伝子学会会員、他

略歴

1974年防衛医大入学
1979年、豪州シドニー大学医学部小児科(ロイヤルアレクサンドリア小児病院)にエクスターン留学
1980年防衛医大卒業(第1期生)。防衛医大小児科学教室に入局
防衛医大病院、自衛隊中央病院、北海道立小児総合保健センター新生児科、国家公務員共済組合連合会三宿病院小児科で勤務
1989年米国ハーバード大学医学部リサーチフェロー、米国タフツ大学医学部クリニカルフェロー
1993年埼玉医科大学短期大学小児科学講師
1994年埼玉医科大学小児科学講師
1997年国際医療福祉大学小児科学助教授、山王病院小児科勤務
2006年国際医療福祉大学特任教授(小児科学)
2008年イーハトーブ病院(岩手労災病院)名誉院長
2009年医療法人社団心の絆・蓮田よつば病院理事長
2010年医療法人銀美会銀座美容外科クリニック理事長
2011年医療法人社団鶴癒会新川病院院長
2011年学校法人医療創生大学千葉・柏リハビリテーション学院長
2014年医療法人葵会新潟中央透析クリニック院長
2016年医療法人葵会新潟聖籠病院副院長
2017年医療法人福聚会東葛飾病院院長
2018年医療法人葵会AOI国際病院国際部長

資格

医学博士、介護支援専門員(ケアマネジャー)登録、日本アレルギー学会認定医、日本医師会認定産業医、日本小児科学会認定医、日本レーザー医学会専門医試験合格、日本小児アレルギー学会評議員、日本小児心身医学会評議員、日米医学医療交流財団評議員、日本インターネット医療協議会評議員、日本コンピュータサイエンス学会理事、ナイチンゲールスピリット連盟理事長、NPO防衛衛生キャリアネット理事長、法務省黒羽刑務所医務部顧問などを歴任あるいは活動中
1998年9月、第10回日本コンピュータサイエンス学会学術集会を神奈川県横浜市パシフィコ横浜で会頭として主催
2011年5月から6月にかけて、宮城県気仙沼市立本吉病院にボランティア診療支援

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